イノシシって危険?出合ったらどうする?
イノシシって危険?出合ったらどうする?
最近は野生生物が市街地に現れる話をよく聞きます。そのなかでもイノシシが出てきたという話は特に多いように思います。
偶然イノシシに出くわしてしまったらどうしたらよいでしょうか。
まず、イノシシによる人身被害の例を見ていきます。
イノシシの攻撃方法は主に噛みつきと突進です。
噛みつく力は非常に強く、指が噛みちぎられたというケースもあります。
「猪突猛進」という言葉があるように、突進して牙でしゃくりあげる攻撃をします。イノシシの成獣は70㎏になり、時速45㎞で走ります。衝突されると大人でも跳ね飛ばされます。また、まっすぐにしか走れないというイメージもありますが、方向転換、急停止・急発進もできます。オスには鋭い牙が生えており、突進を受けるとこの牙の高さが人間の太ももから腰の高さになり、大腿動脈を傷つけて失血死というケースもあります。
ではイノシシは危険なのか、どう対応すればよいのか、生態を理解しながら考えてみましょう。
イノシシは基本的に神経質で警戒心が強く、人間を見ると逃げることが多いようです。私も何度もイノシシにあったことがありますが、今まで100%イノシシのほうから逃げていきました。
しかし、人間・イノシシとも気づかず不用意に接近してしまうと攻撃的になる場合があります。特に発情期(秋~冬)、出産後(春)は攻撃的になっていますので注意が必要です。
また、イノシシは学習能力も高い動物で、人間に慣れてくると大胆になってきます。これが市街地に出没し始める要因でもあります。食物をもとめて、人間の持っているレジ袋を狙うケースもあるそうです。
野生生物一般に言えますが、彼らが攻撃を仕掛けてくることの背景には食べ物を狙っていることがあります。イノシシの食べ物を理解しておきましょう。
イノシシは雑食性で何でも食べます。
ドングリや栗の実、きのこ、植物の新芽や根、イモ、タケノコ、ワラビなどの植物のほか、ヘビやカエル、昆虫、ミミズなどの小動物を主に食べています。畑の作物を荒らすことも有名です。
その他の生態について確認します。
イノシシは特定の縄張りを持たず数百メートル範囲の行動範囲であるといわれますが、食べ物を求めて市街地に出没することもあります。
地面を掘り起こした跡は、イノシシの生息域にはよく見られます。
ヌタ場と言われる水浴び場を持っており、水のある場所の近くにいることが多いようです。
イノシシは基本的に昼行性ですが、人間を避けるために夜間行動するというパターンもよく見られます。
では、イノシシに出合ってしまったらどうすればよいかを確認します。
基本的にイノシシのほうから逃げてくれる場合がほとんどです。
しかし、威嚇をしてくることもあります。その場合、目を離さずにゆっくりとあとずさりをして距離をとりましょう。背を見せて逃げてはいけません。イノシシは逃げるものを追う本能があります。
こちらから攻撃したり、騒いだりして刺激をするのもNGです。興奮して攻撃を仕掛けてくることがあります。
イノシシは木には登れないので木に登るというのも手の一つのようです。
レジ袋など食物を狙っている場合は、その袋を離れた場所に投げると、そちらのほうに気をとられるということもあるようです。
一番大切なことは出合わない工夫をすることです。鈴やラジオで音を出し、人間の存在を知らせることで不用意に出会ってしまうリスクを低くできます。