病気にならないための雑学。

健康な生活習慣づくりを進めるための雑学を簡単に紹介します。主な分野は認知症、高次脳機能障害、メンタルヘルス、運動、食事など。作業療法士。

野菜力を取り込もう~ファイトケミカル~

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野菜力を取り込もう~ファイトケミカル

 
 

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健康のために野菜を食べましょうという話をよく聞きます。

なんとなく健康に良さそうと思い、野菜を食べると思いますが、野菜を食べるとどのような良いことがあるのでしょうか。

色々な健康作用がありますが、ここでは野菜の力の一つ、ファイトケミカルについて触れてみたいと思います。

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ファイトケミカルという言葉ですが、「ファイト(phyto)」とは”植物の”、「ケミカル」は”化学成分”という言葉からできています。

植物が紫外線や虫などから身を守るために作り出した、色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分です。イメージ的にはそういった外部の刺激に対抗する意味の”fight”とできそうですが違いますので。

野菜を食べることで、植物のこのような防御作用を体に取り込むことができます。

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ファイトケミカルには大きく分類して以下のような種類のものがあります。

ポリフェノール
②カロテノイド
③含硫化合物

以下にそれぞれの作用について触れてみたいと思います。

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ポリフェノール、カロテノイドの主な作用は抗酸化作用です。

酸素は反応性が強く、結びついた物質を酸化(さび)させます。人間をはじめ、動物はこのような酸素の強い力を、細胞が逆に利用して体内のエネルギーをつくっています

酸素はいわば原子力のようなものです。大きなエネルギーを生み出します一方、害になるという側面も持っています。

そして細胞が酸素をエネルギーに変える過程で、活性酸素というものをつくり、これが体を傷つける原因になります

活性酸素が血管に作用すると動脈硬化を起こしたり、DNAを傷つけるとがんや老化の原因になります。

ポリフェノール、カロテノイドはこの活性酸素に結びついて、活性酸素を消滅させます。

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ポリフェノール水に溶けて吸収されます。

代表的なものとして、お茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニン、ウコンのクルクミン、赤ワインのミリセチンなどがよく知られています。

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一方、カロテノイドは脂溶性で、油にとけて吸収されます。

緑黄色野菜に含まれることが多く、トマトのリコピン、かぼちゃのβカロテンなどが有名です。

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含硫化合物は、大根やワサビなどの辛み成分で、肝臓や消化管での解毒作用や殺菌作用があるといわれています。またがんの予防作用もあるとする研究結果もあります。

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ファイトケミカルについて紹介しました。

ファイトケミカル第7の栄養素と言われ、その効果についてはまだまだ研究の成果が待たれる状態です。ですが、健康に資する作用は大きいと経験的に考えられています。いろいろな情報を得ながら健康づくりに役立ててください。

 

参考記事

健康長寿ネット

コスモバイオ株式会社~イソチオシアネートの発がん抑制

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